経典・経論

27.般若心経  神谷湛然 改訳

/  27.般若心経 改訳    *    *   真実者の智慧の核心を要略して説く    *    *  自在なるありようを自身に実現しようとして励んでいる求道者が自在なる智慧の修行を深めていくなかで、一切と自分が一枚に融け合って、一切の...
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26.妙法蓮華経観世音菩薩普門品偈  神谷湛然 改訳

/  26.妙法蓮華経観世音菩薩普門品偈  神谷湛然 改訳   世界は咲き乱れる蓮の花のごとく不可思議なありように輝いていることを述べる教え      自由自在なるありようが普く働いていることを詩にして歌う  世界の不可思議なありさまを見通...
如是ということ

59.谷川俊太郎の「生きる」を読んで  神谷湛然 記

/  59.谷川俊太郎の「生きる」を読んで     *    *   生きる          谷川俊太郎 生きているということいま生きているということそれはのどがかわくということ木もれ陽がまぶしいということふっと或るメロディを思い出すとい...
如是ということ

58.業(ごう)ということ  神谷湛然 記

/  58.業(ごう)ということ  業(ごう)ということばを仏教でよく使われている。インドではそれを‘カルマ’と呼んでいる。 不治の病になったのは業が深いからだ、とか、こんなみじめな境遇になったのは自分の為した業の報いだ、とかなど、ネガティ...
如是ということ

57.魂は存在するのか  神谷湛然 記

/  57.魂は存在するのか  宗教の世界において、よく用いられている‘魂’ということについて考えていきたいと思う。 宗教界でよく使われる‘魂’の定義は、肉体が滅びても存在し続けているもので、永遠不滅のものだとされる。いわゆる霊魂と同義語と...
如是ということ

56.煩悩について  神谷湛然 記

/  56.煩悩について  煩悩と聞くと、よくないイメージを抱く人は多いかもしれない。‘わずらいなやむ’ということだから、言葉からしてマイナスの感じになるのはやむを得ないかもしれない。そもそも、その言葉を生み出した仏教からしてよろしくない意...
如是ということ

55.先祖供養と‘たたり’  神谷湛然 記

/  55.先祖供養と‘たたり’  まもなく、お盆のシーズンとなっている。亡くなった家族を偲んでお墓参りする光景が今年も繰り広げられるでしょう。この機会に、先祖供養の意味を改めて考えてみたいと思う。 宗教の世界では、天国とか浄土、あるいは地...
如是ということ

54.意馬心猿に思う  神谷湛然 記

/1  54.意馬心猿に思う  意馬心猿ということばが仏教でよく用いられる。走り回る馬のように、騒ぎ立てる猿のように、心が落ち着かなくて騒がしい様子のことだとされている。グーグルを検索すると、「煩悩や情欲・妄念のために、心が混乱して落ち着か...
如是ということ

53.利他ということ  神谷湛然 記

/  53.利他ということ  利他ということばは一見、とてもよいことのように思える。他人に思いやりの心をもつ、困っている人を手助けする、世のため人のために尽くす・・・。仏教の世界でも‘自未得度先度他(じみとくどせんどた)’ということばがある...
如是ということ

52.‘生身のいのち’とフランシスコ・ザビエル  神谷湛然 記

/   52.‘生身のいのち’とフランシスコ・ザビエル  神谷湛然 記  「正法眼蔵」‘現成公案’、「普勧坐禅儀」、「証道歌」を私は意訳するとき、‘生身のいのち’という言葉をキーワードとして多用している。禅宗とか仏教の枠を越えてキリスト教や...
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25.証道歌その3  神谷湛然 意訳

/   25.証道歌その3  神谷湛然 意訳 <証道歌 41>  或いは是、或いは非、人識らず、逆行順行天も測ること莫し。  吾れ早く曽(かつ)て多劫を經て修す、是れ等閑に相誑惑(おうわく)するにあらず。 ()意訳) なにが是なのか、なにが...
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24.証道歌その2  神谷湛然 意訳

/   24.証道歌その2  神谷湛然 意訳 <証道歌 21>  我師然燈佛(ねんとうぶつ)に見(まみ)ゆることを得て、多劫(たごう)曾(かつ)て忍辱仙(にんにくせん)と爲る。 幾囘(いくたび)か生じ幾囘か死す、生死悠々として定止(じょうし...
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23.証道歌その1  神谷湛然 意訳

/   23.証道歌その1  神谷湛然 意訳    *    *  ‘さとりのうた’ 永嘉大師(ようかだいし)作    *    * <証道歌 1>  君見ずや、絶學無爲の閑道人(かんどうにん)。  妄想を除かず、眞を求めず、無明の實性、卽...
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22.普勧坐禅儀その3  神谷湛然 意訳

/   22.普勧坐禅儀その3  神谷湛然 意訳  嘗(かつ)て観る、超凡越聖(ちょうぼんおっしょう)、坐脱立亡(ざだつりゅうぼう)も、この力に一任することを。いわんや、また、指竿針鎚(しかんしんつい)を拈(ねん)ずるの転機、払拳棒喝を(ほ...
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21.普勧坐禅儀その2  神谷湛然 意訳

/   21.普勧坐禅儀その2  神谷湛然 意訳  夫(そ)れ、参禅は、静室(じょうしつ)宜(よろ)しく、飲食節(せつ)あり。諸縁を放捨(ほうしゃ)し、万事を休息して、善悪を思わず、是非を管することなかれ。心意識の運転を停め、念想観の測量(...