/
涅槃経 無常偈
神谷湛然 訳
()内は弘法大師訳と伝わるいろは歌
諸行無常 是生滅法
(色はにほへど散りぬるを わが世たれそ常ならぬ)
生滅滅已 寂滅為楽
(有為(うい)の奥山けふ越えて 浅き夢見じ酔ひもせず)
湛然訳
あらゆる現象はすげて変化し、まったく変わらないというものはない。生まれては消えていく、これがこの世界の現象である。
しかし、この世界の現象の本質は実態として存在していないのだ。生じたり滅したりすると見えるのは実態があると錯覚するからであって、宇宙生命からすれば生滅はなく、ただ現象としてあるだけである。これを如是といい、空といい、仏というのだ。この宇宙生命の現象たる一瞬一瞬に命を輝かすことこそが宇宙生命の遊びであり、これを楽とするのである。
コメント